2025年11月11日火曜日

例文305

 

『仏文和訳法』を読む(例文305

 

山田原実先生 著『仏文和訳法』,大学書林,1949. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1704262

を読んでいます。 

第八章 譲歩語句

Soitsoit(またはou「~にせよにせよ」

 

[注意]

Soit que~が省略されて Que~(接続法文) ou…の形で現れることがある。逆に考えて Que~(接続法文)ou…は常に soit que~だと思えばよい。

 

[例文305
Nous ne sommes pas obligés de parler français avec nos compatriotes, ni d’employer les monnaies légales ; mais il est impossible que je fasse autrement. Si nous essayions d’échapper à cette nécessité, notre tentative échouerait misérablement. Toutes les réalités au milieu desquelles nous sommes placés, qu’elles soient physiques ou psychologiques, nous contraignent en ce sens puisqu’elles nous forcent à agir de certaines façons sous peine d’aboutir à un échec.

 

[語句]

légal 法定の

la tentative 試み、企画

échouer 失敗する

 

[訳]

我々は、同国人とフランス語を話したり、また、法定貨幣を使用したりすることを強制されているのではないが、そうしないわけにはいかない。もし我々が、この必要を免れようと試みるならば、この試みは悲惨な失敗に陥るだろう。それが物理的であろうと心理的であろうと、我々がその中に置かれているすべての現実はこの意味に於いて我々を拘束している。なぜならば、それらは、我々を強制してあるやり方で行動せしめ、もしそうしなければ失敗するから。

 

[注意]

Sous peine de~は「しからざれば~の罰を受けるものとして」の意である。

 

 

〇今日の要点

Soit que~が省略されて Que~(接続法文) ou…の形で現れることがある。逆に考えて Que~(接続法文)ou…は常に soit que~だと思えばよい。

 

辞書で確認しておきましょう。

que [接]

((仮定,譲歩))もしなら;であろうと(soit que)

Il doit travailler qu'il le veuille ou non.|彼はそう望もうと望むまいと働か[勉強し]なくてはならない.

 

『プログレッシブ仏和辞典』

 

 

〇語句補足~蛇足ですのでお読みにならなくても結構です。

en ce sens にはふたつの意味があります。

sensを「意味」と解釈して、en [dans] ce sens 「こうした意味で」、

「方向」と解釈して、en ce sens この方向に,この方針に沿って」というふたつの意味です。

Les efforts entrepris en ce sens depuis quelques années commencent à porter leurs fruits.|数年来この方針に沿って払われてきた努力が成果を挙げはじめた 『プログレッシブ仏和辞典』

 

例文305では「この意味で」としていますが、「この方向に」ではないでしょうか。

「この方向」とは「我々は、同国人とフランス語を話したり、また、法定貨幣を使用したりすることを強制されているのではないが、そうしないわけにはいかない」方向です。

 

今日は以上です。

2025年11月9日日曜日

例文304

 

『仏文和訳法』を読む(例文304

 

山田原実先生 著『仏文和訳法』,大学書林,1949. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1704262

を読んでいます。

 

第八章 譲歩語句

Soitsoit(またはou「~にせよにせよ」

 

例文304

Le feu, du moment qu’il est expliqué par le philogistique n’est plus un dieu qu’on adore, auquel on fait des prières et des sacrifices : il est une force, selon les cas, bonne ou mauvaise, à laquelle l’homme peut sans sacrilège s’attaquer soit pour l’utiliser, soit pour la combattre.

 

語句

du moment que ~するやいなや、~してからは

le philogistique 燃性元素、熱素

le sacrilège 冒涜、不敬

s’attaquer à ~に打ち掛かる

 

火は、燃性元素によって説明されて以来、もはや人間が祈りを捧げたり、犠牲を供えたりして崇める神ではなくなって、場合によっては恩恵を施したり暴威をたくましうしたりする力であって、人間があるいはそれを利用したり、あるいはそれに抵抗するためにそれに打ち掛かっても冒涜の罪にならないものになった。

 

[注意]

Soit que~が省略されて Que~(接続法文) ou…の形で現れることがある。逆に考えて Que~(接続法文)ou…は常に soit que~だと思えばよい。

〇語句補足

s'attaquer [代動]

s'attaquer à qcに取りかかる取り組む

s'attaquer à un travail仕事に取りかかる

s'attaquer au problème du chômage|失業問題に取り組む.

『プログレッシブ仏和辞典』

 

〇今日の要点

 

Soitsoit(またはou「~にせよにせよ」

 

辞書で確認しておきましょう。

soit1 /swa ソワ/

[]

soit ..., soit ...かあるいはか,にせよにせよ.

Soit (par) timidité, soit (par) mépris elle ne lui adressait jamais la parole.|臆病(おくびよう)だからか,それとも軽蔑してか,彼女は彼にひとことも声をかけなかった

Il faut soit lui téléphoner, soit lui envoyer un télégramme.|彼(女)に電話するか電報を打つかしなければ.

『プログレッシブ仏和辞典』

 

 

 

今日は以上です。

例文305

  『仏文和訳法』を読む(例文 305 )   山田原実先生 著『仏文和訳法』 , 大学書林 ,1949. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1704262 を読んでいます。   第八章 ...