『仏文和訳法』を読む(例文10)
山田原実 著『仏文和訳法』,大学書林,1949. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1704262
を読んでいます。
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の続きです。
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[例文10] Il y a bien des tribus où, si vous offriez de la monnaie, fût-elle d’or, cela ne leur dirait rien du tout.
[訳]そこでは諸君が貨幣を出しても、よしそれが金貨であっても、彼らに対してなんの用をもなさないような蛮人部落がたくさんあります。
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〇単語補足
・tribu(f)部族、種族
・fût-elle d’or の d’or は、de la monnaie d’or(金貨:不加算名詞として捉えられています)から来ています。
〇きょうの要点
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[説明]
fût-elle d’or について です。
元の形は、si elle fût d’or です。
接続法半過去は条件法現在の価値を持ち(条件法現在第2形とも呼ばれる)、仮定的譲歩を表します。
動詞 fût はêtre の半過去、三人称単数です。
・つまり、si + 条件法現在 =si + 接続法半過去=仮定的譲歩[たとえ~であっても]
si elle serait d’or =si elle fût d’or 「たとえそれが金貨であっても」 とパラフレーズすることができます。
・そして si elle fût d’or で 譲歩を表す接続詞 si を使わなかったら、常に倒置されて、fût-elle d’or という形になります。
きょうは以上です。
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