2024年6月23日日曜日

例文54

 

『仏文和訳法』を読む(例文54

 

山田原実 著『仏文和訳法』,大学書林,1949. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1704262

を読んでいます。

 

前回から、主語がce の非人称構文に入りました。

第一章 主語

2.仮定主語と本主語

(ロ)仮定主語がCE である場合
この場合においては仮定主語に続く動詞はêtre に限られ、常に C’est~の形式を以って現れ、次に文意上の主語、補語、属詞などを置いて、その主語、補語、属詞などを強調する。したがってこの形式の文を訳するに当たっては、常に必ずしも前項の仮定主語がil である場合の如くに本主語を前に立てて、「~のは……だ」の如く訳する必要がない。いやむしろ、普通文に直した翻訳をする方がよい場合があるのである。

 

 A. 本主語がque +名詞であることがある。この場合は、C’est の次に置かれている属詞を強調する。

 

今日は(ロ)のBです。

B. 本主語が qui~であることがある。この場合は C’est の次に置かれた主語を強調する。

 

例文54
C’est mon père qui m’a ordonné de le faire.

 

[訳]

そうするように私に言いつけたのは父です(私の父が私にそうするように言いつけたのです)。

 

[註]

Mon père m’a ordonné……の主語を強調している。

 

今日は以上です。

 

以下は蛇足です。

 

[訳]

そうするように私に言いつけたのは父です(私の父が私にそうするように言いつけたのです)。

 

 

となっていますが、ここから、

強調構文を、いつも「~したのは~だ」「~なのは~だ」と訳すのではなく、「~が~したのだ」と訳してもいいのだと、受け取りました。

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