2025年5月6日火曜日

例文210

 

『仏文和訳法』を読む(例文210

 

山田原実 著『仏文和訳法』,大学書林,1949. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1704262

を読んでいます。

 

第五章 否定語句

Ne savoir (pouvoir) trop 「いくら~しても~し過ぎることはない」

 

[例文210


Rien de plus controversé que la question du luxe ; rien de plus mal compris , non plus. Suivant les uns on ne saurait trop l’encourager : suivant les autres, on ne pourrait le réprimer avec trop d’énergie.

 

[語句]

Rien de plusque... より~なことは何もない

controversé 議論された

encourager 奨励する

réprimer 抑圧する

 

[訳]

奢侈についての問題ほど論議されたものは他にない。また、これほど誤解されたものは他にない。ある人たちの説によると、奢侈をどれほど奨励しても奨励し過ぎるということはないが、他の人たちのいう所によると、奢侈をどんなに強く抑圧しても抑圧し過ぎるということはない。

 

 

 

◯今日の要点

Ne savoir (pouvoir) trop 「いくら~しても~し過ぎることはない」

 

辞書で確認しておきましょう。

ne (pas) savoir trop不定詞

いくらしてもしすぎることはない.注savoir は一般に条件法.

On ne saurait trop le souligner.|そのことはいくら強調してもしすぎることはないだろう.

『プログレッシブ仏和辞典』

 

例文210中の

on ne pourrait le réprimer avec trop d’énergie.

奢侈をどんなに強く抑圧しても抑圧し過ぎるということはない。

は、tropが動詞ではなく名詞にかかっています。

“それを抑圧するに、どんなに強さをもってしても、強さの量が少なすぎるということはない”、というように考えればよいと思います。

On ne peut procéder avec trop de mesure, Mairet, Soliman, III, 7.

https://www.littre.org/definition/proc%C3%A9der

[試訳]どんなに節度をもって振る舞っても、節度を持ちすぎるということはない。

 

 

今日は以上です。

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