2024年4月8日月曜日

例文16

 

『仏文和訳法』を読む(例文16

 

 

山田原実 著『仏文和訳法』,大学書林,1949. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1704262

を読んでいます。

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主語と述語動詞が倒置される場合の続きです。

 

D. 次の如き副詞が文頭にある時は、一般に、主語と動詞が転位する。

à plus forte raisonましてなおさら aussiそれゆえに

encore(なお) peut-être(おそらく)

à peine (ほとんど……ない) au moins(少なくとも)

au plusせいぜい en vain無駄に toujours常に

 

[例文16

Cette nuit-là, Balzac était par hasard déjà au lit, et semblait dormir profondément. Aussi, le voleur fort rassuré, se mit-il en devoir de crocheter sans bruit le secrétaire.

 

 

[語句]

se mettre en devoir 任務に就く。crocheter 鉤を使う、(錠や戸をこじあける) le secrétaire 秘書、書き物机

 

[訳]

偶然にもその夜バルザックはもう寝床に入っていた。そしてぐっすり寝込んでいる様子だった。そこで盗賊は非常に安心して仕事にとり掛かり、そっと机の錠前をこじあけ始めた。

[語句]と[訳]は『新しい仏文解釈法』(山田原実著、島田実増訂、大学書林,1963)に拠りました。



 

[語句補足]

aussi

[接続詞] ((文頭で)) したがって,だから,それゆえに;要は,つまるところ;何しろだから.[]主語と動詞を倒置することもある.     『ロベール仏和大辞典』

 

〇きょうの要点

例文16の幹の文で

 
Aussi
se mit-il en devoir de crocheter sans bruit le secrétaire.

 

普通ならばil se mit と並ぶところを、aussi の後ろで倒置されて、se mit-il になる、ということだけです。

 

きょうは以上です。

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