『仏文和訳法』を読む(例文18)
山田原実 著『仏文和訳法』,大学書林,1949. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1704262
を読んでいます。
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D. 次の如き副詞が文頭にある時は、一般に、主語と動詞が転位する。 à plus forte raison(ましてなおさら) aussi(それゆえに) encore(なお) peut-être(おそらく) à peine (ほとんど……ない) au moins(少なくとも) au plus(せいぜい) en vain(無駄に) toujours(常に) |
きょうも↑の続きです。
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[例文18] La lutte pour la vie n’est guère plus générale dans la France contemporaine que dans la France d’hier. Elle a peut-être revêtu d’autres formes ; à peine est -elle plus âpre ; seulement elle laisse plus de déceptions parce que l’esprit d’égalité exaspère davantage les vaincus.
[語句] revêtir ~を装う、~を纏う âpre 烈しい
[訳] 生存競争が現代のフランスにおいては昔のフランスに比べるとより一般的になったという如きことはほとんどない。昔に比べると異なった形式を装うているかも知れないが、より烈しくなっているというようなことはほとんどない。ただ、現代の生存競争は昔より以上に失望の念を残すだけである。なんとなれば平等精神が昔よりよけいに失敗者を怒らすから。
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〇語句補足
général なのですが、「一般的」よりは、やはり「広く行き渡っている」のがいいと思います。
〇きょうの要点
à peine est -elle plus âpre「より烈しくなっているというようなことはほとんどない」
の元の文は
elle est à peine plus âpre なのですが、
à peine 「ほとんど…ない,かろうじて」が文頭にくると、主語と述語動詞が倒置されて
à peine est -elle plus âpre になるということだけです。
今日は以上です。
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