『仏文和訳法』を読む(例文35)
山田原実 著『仏文和訳法』,大学書林,1949. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1704262
を読んでいます。
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第一章 主語 2. 仮定主語と本主語 (イ)仮定主語が非人称の IL である場合 非人称の il が動詞の主語である場合は、動詞が Il a neigé toute la nuit.(一晩中雪が降った)のごとき天候を示す動詞でない限り、必ず後方に意味上の本主語が置かれているのであるから、その本主語をはっきりと判別しなければならない。 |
↑前回までは
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A. 本主語が名詞である場合がある |
を扱ってきました。
今日は
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B. 本主語がde(又は que de)+ 不定法である場合がある |
です。
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[例文35] Il n’est pas absolument exact d’affirmer qu’il n’y a point d’animaux qui sachent créer des instruments : beaucoup d’entre eux doivent fabriquer des pièges pour prendre le gibier.
[訳] 器具を造ることが出来るような動物は絶無であると断定するのは、必ずしも正確だとはいえない。というのは、多くの動物は獲物を捕らえるための罠を作るに違いないから。 |
〇今日の要点
Il est 形容詞 de 動詞 ~:~(動詞)することは~(形容詞)だ
という非人称構文が今日の要点です。
仏和辞典でexact を引くと il est exact que ~、という形が出てきますが、il est exact de ~ という形も当然存在します。
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⸨非人称構文で⸩ Il est exact que+直説法/接続法.|…ということは確かである. 注 否定文,疑問文では,que 以下は接続法. 『プログレッシブ仏和辞典』 |
仏仏辞典の juste の項に、Il est juste de + inf. は Il est exact deという意味であるという説明がありました。
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Il est juste de + inf. Il est
exact de, il convient de : わが市民たち、少なくともこの別離にもっとも苦しんだ人々は、こうした状況に慣れてしまっていたのだろうか。そう断言することは必ずしも正しくないだろう。身体的にも精神的にも、彼らはやせ細ることに苦しんでいたというほうがより正確だろう。 (三野博司訳『ペスト』、2021年、岩波文庫、267頁) |
今日は以上です。
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