『仏文和訳法』を読む(例文77)
山田原実 著『仏文和訳法』,大学書林,1949. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1704262
を読んでいます。
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第一章 主語 2.仮定主語と本主語 |
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C’est que~ (1)「即ち~と云うことである」 (2)「それは~だからである」
[注意]これは説明の場合と理由を述べる場合と二様の場合があるから注意を要する。 ただしSi……, c’est que~の形式は c’est parce que~の場合で、この形式は常に siを無理して、「……は~だからである」と訳せばよい。 |
今日はC’est que~の(2)「それは~だからである」の続きです。
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[例文77] Si la science économique est née à une date récente, c’est que les phénomènes qu’elle étudie sont les plus compliqués que puisse offrir le monde ; c’est que les société aussi, les unes ayant l’esclavage, d’autres le servage ou un régime restrictif de corporations et de privilèges, se prêtaient mal à l’observation des lois économiques naturelles. [語句] l’esclavage奴隷制度、拘束 le servage農奴制度 le régime restrictif 自由を拘束する制度 la corporation同業組合、団体 le privilège特権 se prêter à~ ~に適応する [訳] 経済科学が最近のものであるのは、それはその研究する諸現象がこの世の中で最も複雑な現象に属するものであるからである。また、社会というものが、あるものには奴隷制度があり、あるものには農奴制度とか、同業団体、特権のごとき自由拘束の制度があったりして、経済上の自然法則の観察に適さなかったからである。 |
◯語句補足
[例文77]中の、c’est que les phénomènes qu’elle étudie sont les plus compliqués que puisse offrir le monde.のpuisseが接続法なのは、ご存知のように、「最上級またはそれに準ずる表現の後で」「形容詞節中の動詞は接続法になるのが普通である。これは、最上級のもつ絶対的・断定的語調を緩和するためのものと解されている」(『改訂版フランス語ハンドブック』)というルールに従っているためです。
今日は以上です。
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