『仏文和訳法』を読む(例文79)
山田原実 著『仏文和訳法』,大学書林,1949. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1704262
を読んでいます。
第一章 主語
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2.仮定主語と本主語 |
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C’est que~ (1)「即ち~と云うことである」 (2)「それは~だからである」
[注意]これは説明の場合と理由を述べる場合と二様の場合があるから注意を要する。 ただしSi……, c’est que~の形式は c’est parce que~の場合で、この形式は常に siを無理して、「……は~だからである」と訳せばよい。 |
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[例文79] Si, avant toute réflexion, l’individu vole au secours de son semblable qui se noie ou lutte en vain contre les fauves, c’est que malgré lui il s’imagine à sa place, éprouve en pensée son angoisse, conçoit et produit le geste qu’il voudrait alors qu’on fît en sa faveur. [語句] se noyer溺死する le fauve野獣 [訳] 人間が、他人が溺れておったり、野獣と戦い疲れているのを見て、何も考えないでその救助に飛び出すのは、無意識に自分をその人の立場に置き、頭の中でその苦しみを考え、そんな時に他人が自分のためにしてくれるのを欲するような行為を考えて実行するからである。 [注意] このen faveur de~「~のために」と次の例文の如きà la faveur de~「~に依って」と区別するを要する。 |
◯語句補足
aller [venir] au secours de qn|…を助けに行く
『プログレッシブ仏和辞典』
secours は、s がついていますが、単数です。
◯今日の要点
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Si……, c’est que~「……は~だからである」 |
◯蛇足です。読まなくても結構です。
例文79の最後の文の最後の部分、le geste qu’il voudrait alors qu’on fît en sa faveur.で、接続法半過去fîtになっているのは、voudraitが条件法だからです。直説法現在veutが使われていたら、接続法現在のfasse が対応して使われます。この文法規則は
[例文2]
Faites aux autres ce que vous voudriez qu’on vous fît est un proverbe qui nous enseigne l’art de vivre le plus sûr.
の説明
https://futsubunwayakuhou.blogspot.com/2024/03/2.html
をお読みください。
今日は以上です。
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