『仏文和訳法』を読む(例文145)
山田原実 著『仏文和訳法』,大学書林,1949. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1704262
を読んでいます。
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第四章 比較語句 1. 比較語句と比較の対象 比較語句の翻訳に際して忘れてはならないことは、その比較の対象をはっきり判断して、何と何との比較であるかを明確に把握することである。 (ロ)比較の対照がその文句中に現れていない場合 比較の対照が常にその文句中に現れているとは限らない。しかしこの場合においても、意義上、どこかにその対照があるのであるから、前項同様その対照を把握して訳することが大切である。 |
前回までは↑を見てきました。
今日は「最上級の対照」に入ります。
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[附]最上級の対照 最上級の対照、すなわち「⋯⋯の中で一番~」の「⋯⋯の中で」は、一般に前置詞deを選考させて、de⋯⋯の形で表し、最上級を示す語の後に置かれるものである。しかしながら次ぎの如き場合には、対照が最上級を表す語の前に置かれているから注意を要する。 (イ)対照を強調する場合 この場合は文頭に置かれる。 |
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[例文145] De nos poètes, Racine est le plus célèbre.
[訳] 我が国の詩人の中でラシーヌが一番名高い。 |
◯今日の要点
Racine est le plus célèbre de nos poètes.
というのが普通の語順ですが、
De nos poètes「我が国の詩人の中で」を強調して文頭に出すので、
De nos poètes, Racine est le plus célèbre.
となる、ということです。
今日は以上です。
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