『仏文和訳法』を読む(例文147)
山田原実 著『仏文和訳法』,大学書林,1949. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1704262
を読んでいます。
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第四章 比較語句 1. 比較語句と比較の対象 [附]最上級の対照 最上級の対照、すなわち「⋯⋯の中で一番~」の「⋯⋯の中で」は、一般に前置詞deを選考させて、de⋯⋯の形で表し、最上級を示す語の後に置かれるものである。しかしながら次 ぎの如き場合には、対照が最上級を表す語の前に置かれているから注意を要する。 (ロ)A de B+最上級を表す形容語句 その最上級を有するもの「A」が、その対照「B」の一部分または所属物である場合は、この形が現れることがある。 |
今回も↑の続きです。
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[例文147] Paris est la ville du monde où l’esprit et le goût de la conversation sont le plus généralement répandus ; et ce qu’on appelle le mal du pays, ce regret indéfinissable de la patrie, qui indépendant des amis même qu’on y a laissés, s’applique particulièrement à ce plaisir de causer, que les Français ne retrouvent nulle part au même degré que chez eux. [語句] le mal du pays 懐郷病(le mal de mer船酔い le ml des montagnes山岳病 le mal de cœur嘔気) indéfinissable定義を下し得ない s’appliquer à~~に適合する、~に精を出す
[訳] パリは世界中で、会話の資質を趣味が一番普遍的になっている町である。そして、懐郷病と呼ばれているもの、我々がそこに残して来た友達とは関係なしに何とはなしに祖国が恋しいあの気持は、特にこの会話の楽しみに関係があるのだ。フランス人はどこへ行っても祖国におけると同じ程度にこの会話の楽しみを見いだすことが出来ないから。 |
この文章は、外国人がパリで感じるホームシックではなく、反対に、フランス人が外国で感じるホームシックについて述べています。
◯今日の要点
Paris est la ville du monde où l’esprit et le goût de la conversation sont le plus généralement répandus
[où l’esprit et le goût de la conversation sont le plus généralement répandus]という名詞を形容する形容詞節が、直前の(le) mondeではなく、その前のla villeにかかっているということです。
今日は以上です。
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