『仏文和訳法』を読む(例文148)
山田原実 著『仏文和訳法』,大学書林,1949. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1704262
を読んでいます。
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第四章 比較語句 1. 比較語句と比較の対象 [附]最上級の対照 最上級の対照、すなわち「⋯⋯の中で一番~」の「⋯⋯の中で」は、一般に前置詞deを選考させて、de⋯⋯の形で表し、最上級を示す語の後に置かれるものである。しかしながら次 ぎの如き場合には、対照が最上級を表す語の前に置かれているから注意を要する。 (イ)対照を強調する場合 この場合は文頭に置かれる。 (ロ)A de B+最上級を表す形容語句 その最上級を有するもの「A」が、その対照「B」の一部分または所属物である場合は、この形が現れることがある。 |
前回までは↑を見てきました。
今日は(ハ)に入ります。
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(ハ)celui de A+最上級を表す形容語句 これも前項と同じく対照「A」が前に出ていて、「Aの中で一番~なもの(または人)」と訳すべき形式である。 |
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[例文148] Racine et Boileau sont ceux de nos poètes qui écrivent le mieux. [訳] ラシーヌとボアローは我が国の詩人の中で一番上手に書く人である。 |
◯今日の要点
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(ハ)celui de A+最上級を表す形容語句 これも前項と同じく対照「A」が前に出ていて、「Aの中で一番~なもの(または人)」と訳すべき形式である。 |
Racine et Boileau sont ceux de nos poètes qui écrivent le mieux.
の文中、qui écrivent le mieuxという形容詞節が、直前のnos poètes(A)にかかっているのではなく、その前のceuxにかかっていて、
「Aの中で一番~な人」と訳す、ということです。
今日は以上です。
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