2024年12月2日月曜日

例文135

 

『仏文和訳法』を読む(例文135

 

山田原実 著『仏文和訳法』,大学書林,1949. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1704262

を読んでいます。

 

第三章

2. de + 形容詞

Autre chose, en, grand’chose, personne, peu de chose, quelque chose, rien 等に付される形容詞は、常にde +形容詞の形をとる。

前回まで↑を見てきました。今回から「3. 同格」に入ります。

 

第三章

3. 同格

(イ)同格に置かれた名詞  これは一般に修飾される名詞の後に置かれる。ただし、修飾される語が代名詞である場合は、前に置かれることがある。

 

例文135

——“ Tu as cent mille lecteurs, dit le Livre au Journal, mais tu ne dures qu’une heure ; puis, froissé, déchiré, enveloppe de paquets, tu disparais sans laisser de traces.

 

語句

durer 続く、永続する(dur「硬い、辛い」 la dureté「硬さ」等と混同すべからず)

froisser へし折る、皺くちゃにする

déchirer引き裂く   la trace足跡、跡

[訳]

本が新聞紙に言う。「君には十万の読者があるかもしれないが君の永続性はわずかに一時間位のものだ。後は皺くちゃにされたり、引き裂かれたり、包み紙になったりして、君は何らの跡をも残さないで消えて行くでしょう」と。

 

 

◯今日の要点

ここのenveloppe de paquets は、続くtu disparais sans laisser de traces の代名詞tuの同格であると考えられます。「修飾される語が代名詞である場合は、前に置かれることがある」という説明に当てはまっています。

 

今日は以上です。

0 件のコメント:

コメントを投稿

例文305

  『仏文和訳法』を読む(例文 305 )   山田原実先生 著『仏文和訳法』 , 大学書林 ,1949. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1704262 を読んでいます。   第八章 ...