『仏文和訳法』を読む(例文198)
山田原実 著『仏文和訳法』,大学書林,1949. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1704262
を読んでいます。
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第五章 否定語句 Pas un~ 「ちっとも~はない」 |
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[例文198] [語句] accablant 凌ぎかねる、うるさい à perte de vue 眼の届く限り embraser 燃やす、熱する poudroyer 埃が立つ、埃を立てる(poudrer「白粉をつける」と混同すべからず) mat つや消しの、光沢のない(le mât「マスト」と混同すべからず) la vibration 振動 strident 甲高い la sonorité 反響
[訳] その日は堪えられない程の暑さだった。眼の届く限り、燃え立っているような白い道が、空いっぱいに拡がっているつや消しの銀色をした大きな太陽の下に、オリーブ畑と小さな樫の木の間に埃を立てていた。一点の蔭もなければ、一吹きの風もない。唯、熱せられた大気の振動と、この大きなきらきら光っている振動の音響に思われるような、テンポの速い、耳を聾するような、気狂いじみた音楽の如き蝉の甲高い鳴声とだけであった。 ※『新しい仏文解釈法』(山田原実著、島田実増訂、大学書林,1963)に従って修正を加えました。 |
◯今日の要点
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Pas un~ 「ちっとも~はない」 |
辞書で確認しておきましょう。
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◇ pas un [pɑ-z 1つ[1人]の…も. (Il n'y a) pas une seule voiture sur la route. 道路には一台の車も見えない. Pas un d'entre nous n'a réussi. 我々のうちだれ一人としてうまくいった者はいなかった. pas une ride しわ1つない. Il n'y a pas un survivant. 1人の生存者もいない. Il n'y a pas un œuf qui ne se soit cassé. 割れていない卵は1つもない. Pas un ne l'a applaudi. だれも彼に拍手を送らなかった. Il y a vingt pommes. Pas une de bonne! リンゴが20個あるが1個も無傷のリンゴがない. 『ロベール仏和大辞典』 |
今日は以上です。
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