2025年7月13日日曜日

例文244

 

『仏文和訳法』を読む(例文244

 

山田原実 著『仏文和訳法』,大学書林,1949. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1704262

を読んでいます。

 

第六章 代用語句

3. Enの種々なる意義

[注意]上述の如きen[代用語のen]と次の如き場合のenとを混同せざるを要す。

(ロ)次のごとき動詞の、ほとんど意味なくして用いられたen

s’en aller 行く、逃げ去る        en imposer 幅を利かす

s’en tenir à に止めて置く        en imposer à qn 人を瞞し込む

en vouloir à に悪意をもつ        en venir à ついに~する

ここでちょっと代用語句のen[中性代名詞のen]ではなく、熟語に組み込まれた、ほとんど意味のないenを見ます。

 

 

[例文244

Plus l’affirmation est formelle, plus elle en impose ; on n’ose s’inscrire en faux contre une parole qui, formulé avec tant d’assurance, doit avoir quelque fondement.

[訳]

断定が明確であればあるだけその断定がよけいに幅を利かせます。誰でも、非常な確信を以て述べられ、ある根拠もっているに相違ないような言葉を敢えて否認しません。

 

〇語句補足

formel, le /fɔrmεl/

[]

明確な,断固とした.

affirmer qc en termes formelsを明言する

« Défense formelle d'afficher »|「張り紙厳禁」

Il est formel sur ce point.|この点に関しては彼の意見[態度]ははっきりしている.

『プログレッシブ仏和辞典』

 

 

imposer

[間接他動詞]

1 en (à qn)に強い印象を与える,畏()敬の念を抱かせる.[]en のない形は古用法または文章語.

Sa fortune nous en a imposé.

彼の財産に我々は圧倒された.

Son courage en impose.

あの人の勇気には敬服させられる.

2 [古風] [文章語] (en) à qn/qcに誤りを信じ込ませる,をだます

『ロベール仏和大辞典』

 

s'inscrire en faux contre qc

をはっきり否認[否定]する.

『プログレッシブ仏和辞典』

 

◯今日の要点

[注意]上述の如きen[代用語のen]と次の如き場合のenとを混同せざるを要す。

(ロ)次のごとき動詞の、ほとんど意味なくして用いられたen

s’en aller 行く、逃げ去る        en imposer 幅を利かす

s’en tenir à に止めて置く        en imposer à qn 人を瞞し込む

en vouloir à に悪意をもつ        en venir à ついに~する

 

以下は蛇足ですので、お読みにならなくて結構です。

語句補足その2

s'en aller /sɑ̃nale サンナレ/ 

[代動]

立ち去る,行ってしまう,姿を消す,帰る.

s'en aller d'ici [du quartier]|ここから[街から]いなくなる

Elle s'en va en vacances demain.|彼女は明日バカンスに発つ

Elle s'en est allée furieuse.|彼女は怒って行ってしまった

Allez-vous-en! = Va-t'en!|出て行け,行っちまえ.

文章 死に瀕(ひん)する,死ぬ.

Le malade s'en est allé.|あの病人は死んでしまった.

消える,なくなる;〔時間などが〕流れ去る.

Les taches d'encre s'en vont avec ce produit.|インクの染みはこの薬品を使えば消える

Le temps s'en va.|時は流れる.

s'en aller不定詞〉

(1) …しに行く

Ils s'en sont allés boire ensemble.彼らは一緒に一杯やりに行ってしまった

(2) 近接未来するところだ,これからする.

Je m'en vais faire la cuisine.|これから食事の支度をします.

近接未来としては,今日では直説法現在1人称単数の形だけを用いる.また aller を用いた近接未来よりも俗語的な調子が強くなる.

文章 s'en aller+現在分詞〉次第にする.

cette musique mystérieuse qui s'en va déclinant|次第に音を弱めていくその神秘的な音楽.

複合時制での en の位置は助動詞の前(例:Je m'en suis allé)だが,くだけた調子では Je me suis en allé. という形がよく用いられる.

『プログレッシブ仏和辞典』

 

s'en tenir à qc

だけにとどめる,に限る,で満足する.

Il s'en tient à des idées toutes faites.|彼はありきたりの考えで満足している

s'en tenir|そこまででやめておく.

『プログレッシブ仏和辞典』

 

vouloir [間他動]

en vouloir à qn恨む

Tu m'en veux encore?|まだ私を恨んでいるのかい

Ne m'en veux pas trop si je te dérange.|君の邪魔になっても悪く思わないでくれ(注この場合命令形は veux, voulez が普通だが,丁寧な表現では veuille, veuillez も用いられる).

en vouloir à qn de+不定詞複合形|したことでを恨む.

Elle t'en veux de ne pas l'avoir prévenue.|彼女は君が前もって言っておかなかったのを恨んでいる.

『プログレッシブ仏和辞典』

 

今日は以上です。

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