『仏文和訳法』を読む(例文260)
山田原実 著『仏文和訳法』,大学書林,1949. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1704262
を読んでいます。
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第七章 相関語句 D’autant plus ~ que… ~d’autant plus que… 「だけそれだけよけいに」 |
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[例文260] Pour expliquer comment l’Empire romain devrait être, en somme, moins oppressif que les cités antiques, il(=Renan) énoncera cette loi sociologique : “ Un pouvoir absolu est d’autant plus vexatoire qu’il s’exerce dans un cercle plus restreint ”.
[語句] oppressif 圧制的 énoncer 述べる vexatoire 人困らせの
[訳] どういう風にしてローマ帝国は、結局、古代の諸都市ほど、圧政的でなかったかを説明するために、ルナンは次のごとき社会学的法則をのべている。すなわち曰く「圧政的権力は、その行使される範囲が狭ければ狭いほどよけいに人を圧迫するものである」。 |
『新しい仏文解釈法』(山田原実著、島田実増訂、大学書林,1963)には次のような註がついています。
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[註]il énoncera はいわゆる歴史的未来と称されるもので、歴史的記述の中にしばしば用いられるものである。すなわち話者が想像の中で過去のある時に身をうつしてそこを仮に現在とし、この仮の現在から、何らかの、現在により近い過去の出来事を単純未来で表現するものである。 例:En 1825, il part pour Florence où il restera secrétaire d’ambassade jusqu’en 1828. 1825年、彼はフロレンスに向かって旅立ち、1828年まで大使館書記官としてそこにとどまることになる。 |
◯今日の要点
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D’autant plus ~ que… ~d’autant plus que… 「だけそれだけよけいに」 |
今日は以上です。
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