2025年10月7日火曜日

例文287

 

『仏文和訳法』を読む(例文287

 

山田原実先生 著『仏文和訳法』,大学書林,1949. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1704262

を読んでいます。

 

今回から新しい章に入ります。

 

第八章 譲歩語句

Pour「~であるとはいえ」

[注意]pour~が「~であるとはいえ」という譲歩的な意味を持つばあいは、pour~が「やはり何々」「とはいえ何々」という様な意味を持つ句を関連する時に限られる。

 

[例文287
L’histoire proprement dite, pour avoir à enregistrer des données plus nombreuses et plus complexes que toutes les autres sciences, n’en est pas moins soumises aux mêmes conditions logiques. Elle aussi, pour relier les faits qu’elle constate, a besoin de supposer des lois.

 

[語句]

enregistrer 登録する、記録する

les données 与件、条件

 

[訳]

いわゆる歴史学は、他の総ての科学よりはもっと多数で、もっと複雑な与件を記録しなければならないとはいえ、やはりこれと同じ論理的条件のもとに置かれている。歴史もまた、その検証する諸事実をまとめるために、種々の法則を仮定する必要がある。

『新しい仏文解釈法』(山田原実著、島田実増訂、大学書林,1963

では次のように訳されています。

「本来の意味での歴史学は、他のすべての科学よりはもっと多数で、もっと複雑な与件を記録しなければならないとはいえ、やはりそれらと同じ論理的条件のもとに置かれている。歴史もまた、その検証する諸事実をまとめるために、種々の法則を仮定する必要がある。」

 

〇今日の要点

Pour「~であるとはいえ」

 

辞書で確認しておきましょう。

pour

6 譲歩

文章 pour (si)形容詞 [副詞/que接続法〉いかにであろうと

Pour surprenant qu'elle soit, cette histoire n'en est pas moins vraie.いかに意外であろうとその話はやはり本当である

pour+不定詞〉ではあるが.

Pour être pauvre, il n'en est pas moins fier.|彼は貧しいけれども誇り高い.

『プログレッシブ仏和辞典』

 

今日は以上です。

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例文305

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