『仏文和訳法』を読む(例文287)
山田原実先生 著『仏文和訳法』,大学書林,1949. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1704262
を読んでいます。
今回から新しい章に入ります。
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第八章 譲歩語句 Pour~「~であるとはいえ」 [注意]pour~が「~であるとはいえ」という譲歩的な意味を持つばあいは、pour~が「やはり何々」「とはいえ何々」という様な意味を持つ句を関連する時に限られる。 |
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[例文287]
[語句] enregistrer 登録する、記録する les données 与件、条件
[訳] いわゆる歴史学は、他の総ての科学よりはもっと多数で、もっと複雑な与件を記録しなければならないとはいえ、やはりこれと同じ論理的条件のもとに置かれている。歴史もまた、その検証する諸事実をまとめるために、種々の法則を仮定する必要がある。 |
『新しい仏文解釈法』(山田原実著、島田実増訂、大学書林,1963)
では次のように訳されています。
「本来の意味での歴史学は、他のすべての科学よりはもっと多数で、もっと複雑な与件を記録しなければならないとはいえ、やはりそれらと同じ論理的条件のもとに置かれている。歴史もまた、その検証する諸事実をまとめるために、種々の法則を仮定する必要がある。」
〇今日の要点
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Pour~「~であるとはいえ」 |
辞書で確認しておきましょう。
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pour 6 ⸨譲歩⸩ ➊ ⸨文章⸩ 〈pour (si)+形容詞 [副詞/+que+接続法〉いかに…であろうと. Pour surprenant qu'elle soit, cette histoire n'en est pas moins vraie.|いかに意外であろうと,その話はやはり本当である. ➋ 〈pour+不定詞〉…ではあるが. Pour être pauvre, il n'en est pas moins fier.|彼は貧しいけれども誇り高い. 『プログレッシブ仏和辞典』 |
今日は以上です。
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